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池中立石

 5月に岩手県平泉の毛越寺庭園に行きました。神戸空港から花巻空港まで約1時間半とは言え、自分としては生涯ただ一度の平泉かもしれない。しかし改めて日本庭園の美しさを教えられ、奥州藤原氏が100年で滅んだ悲劇の地でもあり、大変感慨深い庭園体験となりました。
 気付いたことを2点だけ書きます。
 まず池の汀線の美しさ。これはゴロタ石を遠浅に敷き詰めた州浜状の汀などによるもので、堅固な護岸石組ではこうも美しい優美な曲線は出せないと思われます。
 そして毛越寺というと必ず「池中立石」を後ろ側の岸から撮った写真が使われるのですが、今回立石が一番美しく見える位置はどこなのか、池をめぐってみました。これに関しては創建当時、「南大門」のあったところから中島へ、中島から金堂のあった対岸へと、2本の橋が架けられていたことが参考になります。やはり今はない橋の上から、または対岸から見るのがベストなのであろうと思いました。そう思ってみるといつもの見慣れた池中立石のあまり見せたことのない別の表情が見えたのかもしれません。ちょっと遠かったけど。