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ロイヤルミルクティー
イギリスではなぜコーヒーより紅茶が好まれたか?
茶、コーヒー、ココアは17世紀半ばにイギリスに入ってきた。
17世紀後半、ピューリタン革命から名誉革命に至る時期、飲酒を厳しく糾弾するピューリタンのイデオロギーが待ち望んだ理想の飲み物がコーヒーであった。コーヒーは理性を目覚めさせ知性の活動を活発にする。コーヒーは精神の高揚と覚醒を促す理想の飲み物と考えられた。コーヒーハウスに集い情報交換や政治談義に花を咲かす中で市民意識が高まり、コーヒーは近代市民社会の到来を象徴する飲料となった。
しかし当時の「市民」概念に女性は入っておらず、コーヒーハウスに女性は立ち入りを禁じられていた。
1717年トマストワイニングはイギリス初のティーハウス「ゴールデンライオンズ」をオープンさせた。ティーガーデンとも呼ばれたこの飲茶空間は、理性を重視した殺風景なコーヒーハウスとは異なりインテリアに凝ったおしゃれな雰囲気で女性客の間で大評判となった。これ以後茶の消費量は爆発的に拡大し1730年代にはコーヒーの消費量を上回った。
1823年東インド会社軍少佐ロバートブルースはインド北東部のアッサムで自生する原種の茶を発見、その後弟のチャールズが十数年かけて栽培に成功し、アッサムで茶の生産が本格化した。その労働力としてベンガルの農民が移住させられ半奴隷状態に置かれた。
その後茶の価格は下がりインドやセイロン産の茶が大量に流通した。18世紀後半の産業革命期以後、紅茶は労働者階級の生活にも浸透し、それまでのスープや粥の朝食に代わり、砂糖とミルク入りの紅茶とパンが朝食の定番となった。
写真はプリンセスドゥモナコ(播磨中央公園)
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